すっぽんと六ペンス

The Suppon and Sixpence

映像で見る『銃・病原菌・鉄』

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『銃・病原菌・鉄』(『Guns, Germs, and Steel』)は、生物学者ジャレド・ダイアモンドの名著です。

インテリはみんな読むらしいので、僕もいつかは挑戦しようと考えていました。

しかし、いかんせん長くて……。

そんな折にYouTubeで検索すると、動画があるじゃありませんか。それも吹替版が!

まあ、これも全部見ると相当長いんですが。

(削除される可能性があるため、興味がある人は早めに見てください)

 

youtu.be

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『銃・病原菌・鉄』の概要を説明すると、

「地球規模において、持つ者と持たざる者を分ける要因とは何か?」

という根源的な問題に挑んだものです。

 

アメリカ人が資本主義の頂点に立つ一方で、パプア人は未だに狩猟と農業に終始する。

この差は、アメリカ人が優秀で、パプア人が優秀でないから生じたのか?

「否である」

と、ジャレド・ダイアモンドは言います。

彼の説は、環境決定論として批判の的になることもあります。

しかし、彼は続けます。

パプア人ではなくパプアニューギニアの土地に問題があるのだ、と。

パプアニューギニアには、麦または米のように、少ない労力で安定してカロリーを摂取できる穀物がありません。

また、豚以外に家畜化できる動物もいません。

よって、人々は余暇時間を持てず、今日まで文明が進歩する機会を逸し続けたそうです。

 

それにしても、よくできた動画です。

ナショナル・ジオグラフィックが絡んでいるのでしょうか?

この手のものを発見したら、またシェアしたいと思います。

『アサシンクリード オデッセイ』レビュー。時代の潮流に反して重厚長大化が進む

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アサシンクリード オデッセイ』は、シリーズ11作目の作品です。

システムを一新し、それをさらに熟成させた結果、どのような作品に仕上がったのでしょうか?

新要素に注目して書いていきます。

 

これまで以上にストーリー重視

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「オデッセイ」の副題が示すように、本作の舞台は紀元前431年の古代ギリシア、すなわちペロポネソス戦争です。

年表には「紀元前465年、クセルクセス1世の暗殺において初めてアサシンブレードが使用された」とあります。

おそらく最古のアサシンが登場し、また、ヘロドトスソフォクレスヒポクラテスといった人物も姿を見せます。

実に魅力的です。

 

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ただし、それゆえか、とにかくムービーが多い印象を受けます。

これまでの『アサシンクリード』のムービーというと、クエスト時に発生するくらいのものでした。

それが、ある一定の場所に行くと勝手にムービーが始まったりして、違和感が拭えません。

「あれ?こんなゲームだっけ?」みたいな。ロードも長いし。

ストーリーの重厚さとプレイの快適さは、トレードオフではないと思います。

 

もはやアサシンではない

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もはや恒例ですが、今回の主人公もアサシンではありません。

戦場を渡り歩く傭兵として、一騎当千・八面六臂の活躍を見せます。

まあ、それはストーリー上の設定としてわかるのですが、暗殺の爽快感が激減した点は残念でなりません。

前作よりさらにハクスラ感が増して、RPGとしての寿命は伸びたのでしょう。

しかし、ステルスゲームとしてはイマイチかな、と。

 

海戦が復活!

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アサシンクリード4 ブラックフラッグ』で好評を博した海戦が復活しました。

雄大エーゲ海を舞台に、ガレー船による熱いバトルが楽しめます。

このシリーズの海戦パートは本当に人気があるので、これは当然と言えるでしょう。

(『Skull & Bones』という、海戦だけを切り取ったゲームが発表されるほどには、完成されています)

その他に特筆するべき点として、「副官」があります。

「副官」は、ちょうど『メタルギアソリッド5』のように、気絶した敵をスカウトすることで登用できます。

また、ストーリーの進展によって仲間になることもあります。

 

選択肢は結構だるい

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本作の新たな試みとして、会話中の選択肢があります。

選択肢には、時として物語を大きく左右するものもあり、イベントにおいても気が抜けません。

BioWareRPG(『Dragon Age』シリーズ、『Mass Effect』シリーズ)に近いですね。

かくして、プレイヤーは不可逆的な決断の連続にさらされることになります。

が、これが意外と疲れるんですよ。

そもそも、このシリーズは数十時間、あるいは数百時間のプレイが想定されているわけです。

繰り返しのプレイが難しいゲームなのに、これはちょっと首をかしげるところです。

最後まで進めると、マルチエンディングを採用した意図がわかるのかもしれませんが……。

『キングダムカム・デリバランス』の日本語版が発売決定!

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なんと!

『キングダムカム・デリバランス』(『Kingdom Come: Deliverance』)の日本語版の発売が決定しました。

kingdomcomerpg.games.dmm.com

 

本作は、チェコのWarhorse Studiosが開発したRPGです。

15世紀初頭、神聖ローマ帝国の侵攻によって戦乱に巻き込まれたボヘミア公国を舞台とします。

僕はすでに英語版をプレイ済みです。

しかし、僕の英語力ではストーリーの細部までは把握できませんでした。

作業感が出てきたところに、この朗報です。

 

内容は、『The Elder Scrolls』シリーズをもっとシビアにした感じです。

まともなご飯を食べないと餓死するし、まともなベッドで眠らないと体調が悪くなります。

敵の攻撃を受けると怪我をして行動が制限されます。が、それを癒やす魔法もありません。

当初は金がなくて、ずーっと森で鹿を狩って、その肉を売りさばいていました。

頑張って貯金して、かっこいい鎧を買った記憶があります。

「騎士は食わねど高楊枝」といったところでしょうか。もはや猟師が本業ですが。

 

チェコの大学が、本作を歴史の講義に取り入れた、という記事もあります。

中世マニア垂涎のゲームです。

www.gamespark.jp

安楽死を選ぶ人に共通する「4W」とは?

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「勝手にENGLISH JOURNAL!」というラジオをよく聴きます。

バイリンガルのDJとゲストが、それぞれ日本語と英語で会話するラジオで、語学の勉強にもなります。

勝手にENGLISH JOURNAL!

勝手にENGLISH JOURNAL!

  • アルク / SPARTA英会話 / JUN
  • 言語コース
  • ¥0

 

先週の「勝手にENGLISH JOURNAL!」の中で、安楽死の話題が出ました。

曰く、安楽死を選ぶ人には「4W」の共通点があります。

すなわち、以下の4つです。

  • 白人(White)
  • 裕福(Wealthy)
  • 心配性(Worried)
  • 高学歴(Well-educated)

意外に思いませんか?

僕はてっきり、ネガティブな内容ばかりが並ぶと思っていました。

自殺とは決定的に異なります。

 

これは要するに、「社会的地位が高く、喪失を恐れる人」を指すと考えられます。

白人(White)に関しては、白人に遺伝的要因があるという話ではありません。

単純に、白人は(欧米において)社会的地位が高い傾向にあるためでしょう。

 

「4W」を日本で有名にしたのは、ジャーナリストの宮下洋一と思われます。

彼は「現代ビジネス」の記事内で、次のように述べています。

 「安楽死を希望する患者には4つの“W”が当てはまります。まずWhiteで白人。次にWell-educatedで高学歴。そしてWealthyは裕福、最後にWorriedは心配性です」

最初の「白人」に関しては判断できなかったが、その他の「W」については、頷けるものがあった。私がスイスで取材した希望者は、高学歴が多かった。そして富裕層についてだが、そもそもスイスに渡航し、医師とのカウンセリングなど、安楽死のための準備を整えるには、生活に余裕がないとできない。

(出典:「『安楽死』その瞬間に立ち会ってみえたこと」)

 

安楽死の議論は世界中に広まっています。

「スパゲッティ症候群」なる言葉が証明する通り、日本人は死に関する話題を忌避しすぎます。

が、これからも少子高齢化が進む中で、決して避けては通れないものとなるでしょう。

 

しかし、経済的にも精神的にも成熟した国に生まれて、さらに学と富がなければ難しいときましたか。

「死」もタダではないのですね。

『キャパの十字架』が与えたもの

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この写真は、ロバート・キャパの『崩れ落ちる兵士』(Loyalist Militiaman at the Moment of Death)です。

反戦または反ファシズムの「イコン(聖画像)」として絶大な知名度を誇ります。

その一方で、常に人々の疑念に晒されてきた写真でもあります。

すなわち、これは「やらせ」ではないのか、と。

 

沢木耕太郎の『キャパの十字架』は、そんな『崩れ落ちる兵士』の実像を追ったルポルタージュです。

本作においても、この写真が「死の瞬間(The moment of death)を写したものではない」ことに関しては、早い段階で同意しています。

ただ、「演技にしては真に迫りすぎている」という直感のもとに、何十年も調査を続けます。

最終的に、著者は少々意外な結論を導き出します。

そして、その裏にあったと思われるロバート・キャパの「十字架」を見事に演出して、物語は終わりを迎えます。

 

先述の通り、『崩れ落ちる兵士』は、ある種の神性を帯びた写真です。

科学的な検証を踏まえて、それを淡々と解剖していく様子は、一見して冒涜行為に等しく感じます。

しかし、本研究は、この写真にまた別の魅力を与えたようにも思えます。

アンドレフリードマンという青年は、いかにして伝説のロバート・キャパになったか?」

本作を読んだ者にしか聞こえない言葉で、雄弁に語りかけてくるのです。

 

ところで、沢木耕太郎の作品は他にも読みましたが、驚くべきはその行動力です。

『キャパの十字架』を上梓したころには、60歳を超えているにもかかわらず、なんと克己的なのでしょう。

還暦を迎えてなお、スペイン、フランス、アメリカと、知的好奇心に満ちた旅を続けられるとは!

実に羨ましい人生だな、と思います。

高度なゲームは現実世界の実験台となりうる

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『Cities: Skylines』は、フィンランドの企業が開発したゲームです。

ジャンルは都市開発シミュレーション。『シムシティ』に似た作品です。

その開発者、Karoliina KorppooがTEDで語る動画をシェアします。

www.ted.com

『How a video game might help us build better cities』

(『住みよい都市設計に役立つビデオゲーム』)

 

僕はこのゲームをプレイしたことがありません(存在は知っていました)。

動画の内容を要約すると……

  • 『Cities: Skylines』は、現実の都市設計の下絵として使用される。
  • 『Cities: Skylines』上の架空の都市は、現実世界に応用できる可能性がある。
  • フィンランドの市が、地区の設計図を『Cities: Skylines』で募集した。

こんなところです。

 

本講演は、はっきり言って大した内容じゃありません。

が、比較的平易な英語で、時間も短く、英語学習に最適です。

何より興味が持てる話題なので、僕はしばしば見ています。

 

政治経済学だったり、都市工学という分野は、実験が難しいです。

想定される実験の規模が大きすぎて、「失敗しました(笑)」が許されないためです。

そういう学問に対して、娯楽用として作られたゲームが、実験台としての意義を持ちつつある。

なかなか面白いと思うのですが、いかがでしょうか?

 

以下の記事もオススメです。

gigazine.net

omocoro.jp

兵庫・芦屋「芦屋珈琲舎」で優雅なひとときを

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JR芦屋駅の近くにある「芦屋珈琲舎」に行きました。

兵庫県の芦屋といえば、全国屈指の高級住宅街!

道行く車は外車ばかり。人々も心なしか皆、余裕があるような……。

「芦屋珈琲舎」は、そんな芦屋の名に恥じない、ワンランク上の喫茶店です。

tabelog.com

 

ギャラリーのような店内

店内のほとんどはカウンター席で占められており、1セットだけテーブル席が設けられています。

堂々と飾られた絵画と、しっとりと流れるクラシック音楽が、上質な空間を醸し出します。

(「G線上のアリア」、パッヘルベルの「カノン」など、有名な曲ばかりです)

シャッター音が無粋に思えたために、店内の写真は撮りませんでした。

 

食器も料理の一部

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さて、肝心のコーヒーは、最低1杯700円と相応に値が張ります。

酸味が強く、個人的な趣向には合致しました。フルボディというのでしょうか?

僕は量こそ飲みますが、豆の味はてんでわかりません。

 

ところで、この店の最大の特徴は、コーヒーカップを客に選ばせてくれることです。

カウンターの奥には、マイセン、ヘレンド、ロイヤルコペンハーゲンに代表される名窯の器が並びます。

僕は写真の通り、真紅のカップをチョイスしました。漆黒のコーヒーとのコントラストが美しいです。

ふと、「器は料理の着物」という言葉を思い出しました。

美食家・北大路魯山人の言葉です。一理ある気がしてきました。

 

気軽に、リッチに

確かに、侵しがたい雰囲気の店ではあります。

しかし、決して一見さんお断りではありません。

従業員もおそらくアルバイトですし、所詮は駅前の喫茶店ですからね。

「今日はじっくりとコーヒーを味わいたい」

という日に、ぶらりと立ち寄るといいと思います。